スタートアップ/新規事業でのサイト設計手順

スタートアップや新規事業でウェブサービス立ち上げ時のサイト設計方法を説明します。

スタートアップや新規事業でウェブサービスを立ち上げる際、ウェブサイトは、事業戦略やビジネスモデルを反映したものでなければなりません。

ネットや書籍で、サイト設計の方法やテクニックは見つける事ができます。そのとおりやれば、SEOにもそこそこ強くすることができますが、新規事業やスタートアップの場合、ウェブサイトのテクニックだけでは、ビジネスを大きくグロースさせることは難しいです。

事業戦略とサービスを設計し、ウェブサイトに反映することは、事業と、ウェブサイト開発の両方の経験が必要になるため、難易度が高いです。

私も何度か、サービス設立に立ち会いましたが、毎回、かなり苦しみます。苦しんだ中、整理されてきた、新サービス立ち上げ時のサイト設計の手順を紹介します。

サイト設計の前にやること

新しいサービスを立ち上げる場合、いきなりURL設計やサイト構造の設計は行いません。

ウェブサイト設計は、事業戦略やサービス設計を反映して行うため、上流工程から設計していきます。

私は、ざっくりと、下記の5ステップでサイト設計を進めます。

  1. PMF(プロダクトマーケットフィット)を検証する。
  2. 事業戦略を決める。
  3. サービス設計をする。
  4. KSF/KPIツリーを作る。
  5. サイト設計をする。

サイト設計におけるPMF(プロダクトマーケットフィット)

PMFとは、顧客の課題をプロダクトやサービスが解決することができる状態のことです。

私は、PMFの検証を一番重視しています。

サイト設計前の4ステップを飛ばして、いきなりサイト設計を依頼されるケースもありますが、最低限、PMFだけは一緒に行っています。使われないサービスを作ることほど悲しいことはないので。

PMFでは、インタビューをよく行います。アンケートは手軽ですが、回答の背景が見えないため、対面やSkypeなどでインタビューするようにしています。

身の回りにターゲット顧客がいない場合は、知人の知り合いを紹介してもらったり、TwitterのDM経由で、インタビューをお願いしています。

10〜20名ぐらいにインタビューして、50%以上が支持をしてくれて、20%が熱烈に支持してくれれば、筋が良いアイデアだという判断をしています(この辺の判断は肌感覚です)。

インタビューをした上で、念の為、ランディングページやプレスリリースを作って、反響を確認することもあります。好意的な問い合わせや登録が多ければ、アイデアに確証を持つことができます。

PMFやPSF(プロブレムソリューションフィット)については、梶谷さんのスタートアップにおいて最も重要なPMFの図り方と達成方法という記事がわかりやすいので、参考にしてください。

サイト設計の土台となる事業戦略

PMFで検証したサービスのアイデアを、事業戦略や事業プロセスに整理していきます。

事業戦略は、「誰にどんなサービスをどうやって提供し続けるか」を決めることです。どんな顧客であれば、自分の得意技で喜んでもらえるかを整理することでもあります。

戦略を考える際、3Cや4Pなどのフレームワークはありますが、フレームワークに頼りすぎると、ロジカルではあるけど、現実味のない戦略を作ってしまいがちです。

それよりも、「誰にどんなサービスをどうやって提供し続けるか」など、戦略を自分が感情移入できる言葉にすることが大事だと思います。

その上で、市場性や競合など、既存のフレームワークを使って、視点を補完し、更に戦略を練ります。

事業戦略をサービス設計に反映

事業戦略にもとづき、ウェブサイトを使って、どのようにサービス提供をするかを設計します。

サービス設計は、カスタマージャーニーマップで整理すると考えやすいです。

カスタマージャーニーマップ

サービス設計の際、カスタマージャーニーマップの最後から、つまり、顧客がサービスを活用して満足しているという理想の状態から、逆算してサービス内容を決めていきます。

カスタマージャーニーマップの後ろから逆算して考えるとは、例えば、料理レシピ投稿サイトの場合、下記のようです。

  • ユーザーがサービスを気に入って継続的に料理レシピを投稿してくれる。
  • ユーザーが、初めて料理レシピを投稿した時に、他のユーザーからのフィードバックを受けてサービスを気に入る。
  • 他のユーザーが活発にコミュニケーションをしているのを見て自分も料理レシピを投稿したいと思ってもらう。
  • 料理レシピを探している時に検索エンジン経由でウェブサイトを知る。
  • 料理の作り方が分からずウェブで検索する。

カスタマージャーニーマップの前からサービス内容を決めると、サービス内容が当たり障りなくなりがちで、大きくグロースするサービス設計が考えづらいです。カスタマージャーニーマップは、後ろから逆算して決めていきましょう。

サービス設計をKSF/KPIツリーに反映

サービス設計は、KSFやKPIツリーに反映します。

KSFやKPI化することで、ウェブサイトやウェブの機能に求められることが具体化します。

もちろん、新規サービスの場合、過去データがないため、KSFやKPIは他事業の事例やシミュレーションにもとづいたものです。多少不正確であっても、KPI化によって具体化することは、サイト設計やサイト運営の要件が明確になるため、重要です。

KPIツリーは事業が異なっても似たような構造のツリーになります。

KPIツリー

一方、KSFは、事業戦略ごとに違います。

KSFは、ビジネスを大きくグロースさせる上で重要な指標です。事業ごとに強みや弱みなど、置かれた環境が異なるため、事業戦略が異なり、それに伴いKSFも異なります。

KSFを特定せず、KPIツリーだけで事業を動かすと、レッドオーシャンに突っ込むことになります。上述の通り、KPIは、他社も似た指標になり、似たKPIを目標にした場合、やり方も似てしまい、差別化することが難しくなるためです。

KSFは、自社の独自戦略にもとづく指標であり、アプローチ方法に独自性を持たせる重要な指標です。

ゼロ・トゥ・ワンという著書で、ピーター・ティールは、世界を変えるような企業は、重要だけどまだ知られてない何かをを見つけていて、それを「隠れた真実」と表現しています。KSFと似た考え方だと思います。

事業運営は、KSFを最重視しながら、各種KPIをバランスよく改善していくことが、ポイントではないかと思います。

サイト設計

サービス設計とKSF/KPI設計にもとづいてサイト設計を行います。

サービス設計で整理したカスタマージャーニーマップ、KSF、KPIにもとづいて、必要なウェブページや機能をリストアップし、サイト構造やウェブページに当てはめていきます。

この段階で、初めてテクニカルな要件についても具体化していきます。SEOに強いサイト構造の設計方法という記事に、SEOを意識したサイト設計の方法を紹介しています。

スタートアップや新規事業のサイト設計の特徴として、サービスが成長するに連れて、DBのテーブルの項目やURLの正規化、クローラ制御などの設定を変えなければいけないタイミングが来ます。

DBや機能に拡張性を持たせた設計

エンジニアに要件を伝える際に、システムの拡張性を持たしておく箇所について、議論しておくことをおすすめします。サービス成長してから、拡張性を想定していなかったために、成長の足かせになっているケースもよく見ます。

スタートアップ/新規事業でのサイト設計手順 まとめ

新しくウェブサービスを立ち上げる際のサイト設計の手順を下記の5ステップで紹介しました。

  1. PMF(プロダクトマーケットフィット)を検証する。
  2. 事業戦略を決める。
  3. サービス設計をする。
  4. KSF/KPIツリーを作る。
  5. サイト設計をする。

私も、立ち上げのたびに、苦労していますので、このやり方は、今後もアップデートしていきますが、今まで苦労した点は、一通り押さえていますので、同じ苦労をしないよう、参考にしていただけると幸いです。

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